今夏のワールドカップで「神セーブ」を連発し、一躍その名を上げたカーボベルデ代表GKヴォジーニャが、今度は科学界からも敬意を表されることとなった。新種の海洋生物に彼の名前が命名されるという、サッカー界と学術界を結ぶ異例の報せが届いた。
スペインの海洋生物学者ヘスース・オルテア氏が、自身の著書『Historias de la Bioadversidad』(英訳:『Biodiversity Stories』)の中で、新種の海洋軟体動物の発見を発表し、これを「Aldisa vozinhai」、すなわち「ヴォジーニャのウミウシ」と命名した。これは、カーボベルデ代表の守護神への敬意を表したものだ。
オルテア氏が発見した新種は、体長約4ミリメートルの鮮やかな赤色をした小型のウミウシで、研究成果が発表されるまで科学界には記録されていなかった。この新種はカリブ海での調査中に発見され、キューバのハバナ近郊海域やフランス領グアドループに分布している。
オルテア氏は、新種をヴォジーニャの名前で命名したのは、ワールドカップでの彼の素晴らしいパフォーマンスを称えるだけでなく、カーボベルデの人々への感謝を示すためだと述べている。彼は長年、カーボベルデ諸島の海洋生物多様性を研究しており、その貢献が認められ、2023年にはカーボベルデ政府から「環境功労勲章」を授与されている。
偶然にも、オルテア氏はこの研究結果をワールドカップ開催中に発表した。そしてその時、ヴォジーニャはカーボベルデの歴史的なワールドカップ初戦で鮮烈な印象を与えていた。現欧州王者スペインを相手に、この守護神は試合を通じて7度の重要なセーブを披露し、カーボベルデを0-0の番狂わせに導き、マン・オブ・ザ・マッチに選出された。
実は、オルテア氏がサッカー選手の名前を新種に命名するのは今回が初めてではない。スペインのオビエド大学で動物生物学及動物学の教授を務める彼は、2019年に微小な巻貝を発見した際にも、コスタリカのレジェンドであり元レアル・マドリードGKのケイラー・ナバスにちなんで新種を命名している。
現在40歳のヴォジーニャは、20年以上にわたるプロキャリアを持ち、これまでにカーボベルデ、モルドバ、スロバキア、キプロス、ポルトガルなど、様々なクラブでプレーしてきた。彼は40歳と12日で初めてワールドカップにカーボベルデ代表として出場し、代表史上最年長ワールドカップデビュー選手となった。
91キャップを誇るこのベテランは、ワールドカップを機に人気が急上昇した。大会前、彼のInstagramアカウントのフォロワー数は約5万人だったが、現在までに2,850万人にまで*[*(*引用元記事公開時点)*]急増し、その知名度を大幅に高めている。
その後もヴォジーニャは、カーボベルデの残りのワールドカップ3試合すべてに先発出場した。特にサウジアラビア戦では再びクリーンシートを達成し、チームの歴史的なラウンド32進出に貢献した。
カーボベルデは最終的に、ラウンド32で前回王者アルゼンチンと延長戦までもつれ込む激闘を演じ、2-3で惜敗したが、この試合でもヴォジーニャは7度のセーブを記録した。大会全体を通じた安定したパフォーマンスにより、彼はファンと専門家から満場一致の称賛を得た。そして今、彼は科学史における新種の命名源となり、そのワールドカップでの伝説に、さらに記念すべき物語を刻んだ。
記事提供:The Athletic
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